メニュー

筆談ドクターと呼ばれて

[2026.08.09]

夏季休診のお知らせ

いつも当院をご利用いただきありがとうございます。

8月9日(日)〜8月16日(日)まで夏季休診とさせていただきます。

8月17日(月)より通常診療いたします。

スタッフ一同、心身を整え、休診明けもより良い医療を提供できるように努めてまいります。

ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

------------------------------------------

 

みなさまこんにちは

 

旭川市 永山にある さぶさわ耳鼻咽喉科めまいクリニックの院長です。

 

実は先月、全く声が出なくなってしまいました。

 

耳鼻咽喉科診療においては、「声が出ない」、「声がかすれる」という症状の患者さんは日頃からよく診察するものですが・・・

 

 

忘れもしない7月14日夜。

 

午後の診療で少し声がかすれ始め

 

スタッフからは「明日には声が出なくなっちゃうんじゃないですか〜?」なんて言われ

 

まさか・・・なんて思っていましたが、7月14日夜にはほぼでず、翌7月15日朝にはまったく声が出なくなってしまいました・・・

 

 

そんな状態でははっきり言って診察なんかできません。

 

ただ

 

声は全く出ませんが、体は元気、笑

 

どうしようかスタッフとも相談し

 

予約患者さんを中心に筆談で診察することにしました。

 

結果、7月15日から7月23日の間は筆談での外来。

 

お伝えするのが難しい症状の方には、A4用紙10枚くらいに書いて説明したりと

 

半日で30人診察するのがやっと・・・

 

予約外の患者さんにおきましては、症状によって受付でお断りさせていただいたりと大変なご迷惑をおかけいたしました。

 

そして、困ったのは仕事だけではありません。

 

ある朝、セイコーマートでおにぎりを買いました。

 

会計でいつものように、

 

「クレジットカードでお願いします」

 

……と言いたい、笑

 

でも、声が出ない。

 

店員さんを前にして、カードを手に持ちながら身振り手振り。

 

たった一言が言えないだけで、こんなに困るとは思いませんでした。

 

さらにはスターバックス。

 

朝や帰り際にコーヒーを買うことも多く、普段はドライブスルーをよく利用していますが

 

声が出ないと注文できません。

 

声を失って初めて、普段の生活がいかに「声」に頼っているのかを実感しました。

 

それでは少し耳鼻科医っぽい内容も。

 

そもそもなぜ声が出なくなるのか?

 

声は、のどの奥にある左右の声帯が振動することで作られます。

 

声がかすれることを医学用語では「嗄声(させい)」といいます。

 

風邪などに伴って声帯に炎症が起こる急性喉頭炎・声帯炎は、声がかすれたり出なくなったりする代表的な原因です。

 

ただし、「声が出ない=風邪」とは限りません。

 

たとえば、

・急性喉頭炎、声帯炎

・声帯ポリープ、ポリープ様声帯

・声帯結節

・声帯麻痺(反回神経麻痺)

・声帯腫瘍

など、さまざまな原因があります。

 

声帯ポリープや声帯結節は、声の使いすぎなどによって起こることがあります。

 

ポリープ様声帯は喫煙が関係することもあります。

 

声帯麻痺は原因を調べていくと、甲状腺や胸部などの病気が見つかることもあります。

 

また、喉頭癌も「声のかすれ」をきっかけに見つかることが多い病気です。

 

そのため、声が出ない状態や声がれが続く場合には、耳鼻咽喉科で実際に声帯を確認することが大切です。

 

 

さて、耳鼻咽喉科ではその声帯の診察をどのようにしているのか・・・

 

声帯の診察を行うときに用いるのは細い内視鏡(喉頭ファイバー)です。

 

声帯が赤く腫れていないか

 

ポリープや結節がないか

 

左右の声帯がきちんと動いているか

 

などを直接確認することができます。

 

実際に開院2年半の当院で、声のかすれから見つかった病気は

 

・急性喉頭炎、声帯炎、急性喉頭蓋炎

・声帯結節、声帯ポリープ、声帯血腫

・特発性声帯麻痺(原因不明)

・喉頭癌、下咽頭癌、甲状腺癌、肺癌

・術後性反回神経麻痺(食道癌・甲状腺癌)

・多系統萎縮症

 

など・・・

 

「風邪だと思っていたけれど、なかなか声が戻らない」

 

「声を出す仕事をしていて、最近ずっとかすれている」

 

「特に風邪をひいていないのに声が変わった」

 

このような場合には、一度声帯を確認しておくと安心です。

 

今回、自分自身が声を出せなくなって、一番感じたことがあります。

 

声が出ないというのは、想像以上に生活を制限される。

 

診察も大変。

 

買い物も大変。

 

患者さん紹介の電話もできない。

 

ドライブスルーも使えない。

 

耳鼻咽喉科医として「声が出ない患者さん」を何度も診察してきましたが、実際に自分が経験してみると、その不便さを改めて実感しました。

 

そしてもう一つ。

 

耳鼻科医でも、声が出なくなるときは出なくなります、笑

 

「自分で治せないの?」なんて言われもしましたが・・・

 

声帯炎の治療は薬だけではなく、声をできるだけ使わず、声帯を休ませることも大切なので

 

しばらくの間、「筆談ドクター」が誕生していました。

 

患者さんにはご不便をおかけしましたが、筆談での診察にも温かく対応していただき、本当にありがとうございました。

 

今後、「声が出ない」「声がかすれる」という患者さんを診察するときには、以前より少しだけ、そのつらさが分かる耳鼻科医になれたような気がします。

 

本日もありがとうございました

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME