前庭片頭痛
前庭片頭痛とは
前庭片頭痛は、めまいと頭痛を主症状とする神経疾患です。片頭痛の一種とされ、国際頭痛分類第3版(ICHD-3)では、片頭痛に関連するめまいと定義されています。
症状
- めまい:回転性、浮動性、あるいは乗り物酔いのようなめまい
- 頭痛:片頭痛様の拍動性頭痛
- 吐き気・嘔吐
- 光過敏・音過敏
- 閃輝暗点:視野の一部がキラキラと光ったり、ジグザグした線が見えたりする症状
診断基準
前庭片頭痛の診断には、以下の基準を満たす必要があります。
- 少なくとも5回のめまい発作
- めまい発作は、少なくとも5分間持続する
- めまい発作の半数以上に、頭痛を伴う
- 頭痛は、以下のいずれかに該当する
- 国際頭痛分類第3版(ICHD-3)の片頭痛の診断基準を満たす
- 少なくとも2つの以下の特徴を伴う
- 片側性
- 拍動性
- 中等度または重症
- 日常生活活動を制限する
- 光過敏または音過敏を伴う
- めまい発作は、他の疾患によって説明できない
原因
前庭片頭痛の原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が考えられています。
- 脳の異常な電気活動
- 三半規管の過敏性
- 脳血管の拡張
治療
前庭片頭痛の治療は、急性期と慢性期に分けて考えます。
⚫︎急性期
めまい:抗めまい薬
頭痛薬:NSAIDs、トリプタン製剤
⚫︎慢性期
頭痛薬:カルシウム拮抗薬、抗うつ薬、β遮断薬など
生活指導:生活習慣、睡眠指導、ストレス回避、遮光など
予後
前庭片頭痛は、適切な治療で症状をコントロールすることができます。しかし、完全に治癒することは難しい場合もあります。