遅発性内リンパ水腫
遅発性内リンパ水腫は、高度な感音難聴が先行し、数年から数十年の後にめまい発作を反復する内耳性めまい疾患です。 片耳または両耳の高度難聴が先行し、その数年から数十年の後にバランス感覚を担う器官である前庭に内リンパ水腫が生じ、その結果回転性めまいを繰り返すと考えられています。
原因
遅発性内リンパ水腫の原因は完全には解明されていませんが、以下のようなものが考えられています。
- 内耳の異常: 先天性の内耳の異常や、内耳炎などの後遺症によって、内耳のリンパ液の流れが悪くなり、内リンパ水腫が生じると考えられています。
- 自己免疫疾患: 自己免疫疾患によって、内耳の細胞が攻撃され、内リンパ水腫が生じると考えられています。
- 遺伝的要因: 遅発性内リンパ水腫は、家族内に発生することが多いことから、遺伝的要因が関与している可能性があります。
症状
遅発性内リンパ水腫の症状は、主に以下の2つに分けられます。
- 難聴: 片耳または両耳の高度感音難聴が先行します。
- めまい: 回転性めまいを繰り返し発作的に起こします。 めまい発作は数時間から数日続き、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
診断
遅発性内リンパ水腫の診断は、症状と聴力検査、平衡検査などの結果に基づいて行われます。
- 症状: 難聴とめまいの種類、持続時間、誘因因子、関連症状などを詳しく問診します。
- 聴力検査: 聴力検査を行い、難聴の程度や種類を確認します。
- 平衡検査: 平衡検査を行い、めまいの原因を探ります。
- 画像検査: CTやMRIなどの画像検査を行い、内耳の異常がないかを確認します。
治療
遅発性内リンパ水腫の治療は以下のようなものがあります。
薬物療法
- 抗めまい薬: めまいの症状を改善するために使用します。
- 吐き気止め: 吐き気や嘔吐を伴うめまい発作の場合に使用します。
- 利尿薬: 内リンパ水腫の改善に効果がある場合があります。
運動療法
- 前庭リハビリテーション: 首や目の運動、バランス訓練などを行い、前庭系と視覚系の情報伝達の改善を目指します。
日常生活
- 安静: めまい発作の際は安静を保ち、無理な運動は控えましょう。
- ストレス管理: ストレスを溜めないように、規則正しい生活習慣を心がけましょう。
- 禁煙・禁酒: 喫煙や飲酒は症状を悪化させるので控えましょう。