耳介軟骨膜炎
耳介軟骨膜炎は、耳の軟骨を覆う膜(軟骨膜)に炎症が起こる病気です。耳介(耳たぶ)全体が赤く腫れ上がり、痛みや熱感、発熱を伴うこともあります。
原因
- 外傷: 耳のピアスや打撲、耳掃除などによる傷口から細菌が侵入するのが最も多い原因です。
- 熱傷: やけどなどによる熱傷も原因となります。
- 虫刺され: 虫刺されによる炎症が軟骨膜に及ぶことがあります。
- その他: 耳の軟骨に直接触れるピアスやイヤリング、再発性多発軟骨炎などの自己免疫疾患も原因となることがあります。
症状
- 耳介の腫脹: 耳全体が赤く腫れ上がります。
- 痛み: 強い痛みがあり、触るとさらに痛みが強くなります。
- 熱感: 耳介が熱くなります。
- 発熱: 高熱が出ることもあります。
- 膿瘍形成: 進行すると、軟骨膜と軟骨の間に膿が溜まり、膿瘍を形成することがあります。
- 耳の変形: 膿瘍が大きくなると、軟骨が破壊され、耳が変形することがあります。
診断
- 診察: 耳の診察を行い、症状を確認します。
- 画像検査: CTやMRIなどの画像検査を行うこともあります(変形が高度の場合や再発性多発軟骨炎が疑われるときなど)。
- 採血: 重症度具合により、採血での白血球数やCRPなどの炎症反応を確認します。
- 細菌培養: 膿がある場合は、細菌培養を行い、原因菌を特定します。
治療
- 抗菌薬: 原因菌に応じて、抗菌薬を内服または外用します。
- 鎮痛薬: 痛みがある場合は、鎮痛薬を服用します。
- 解熱薬: 発熱がある場合は、解熱薬を服用します。
- 局所処置: 膿瘍がある場合は、切開排膿を行い、膿を出します。
- 移植術:変形が高度な場合などは軟骨移植を行うこともあります。
予防
- 耳の傷口を清潔に保つ: 耳の傷口は清潔に保ち、感染しないように注意します。
- ピアスやイヤリングの管理: ピアスやイヤリングは清潔に保ち、定期的に消毒します。
- 再発性多発軟骨炎の治療: 再発性多発軟骨炎などの基礎疾患がある場合は、適切な治療を受けることが大切です。
その他
耳介軟骨膜炎は、早期に治療しないと軟骨が破壊されて耳が変形するなど、後遺症を残す可能性があります。耳に痛みや腫れ、熱感などの症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。