ラムゼイ・ハント症候群
ラムゼイハント症候群とは、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が顔面神経節に感染して起こる疾患です。水痘帯状疱疹ウイルスは、水痘の原因となるウイルスで、一度感染すると、体内に潜伏します。その後、何らかの原因で免疫力が低下すると、潜伏していたウイルスが再活性化して、ラムゼイハント症候群を発症します。症状としては、顔面神経麻痺、耳介帯状疱疹、難聴、めまい、耳鳴りなどがあげられます。顔面神経麻痺は、顔面の半分の表情筋が動かなくなるため、口が閉じにくくなったり、目が閉じにくくなったりします。治療は抗ウイルス薬の投与が中心です。抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑えて、症状の悪化を防ぐ効果があります。
また、顔面神経麻痺の症状が強い場合は、ステロイド剤の投与が行われることもあります。
早期に治療を開始することで改善が見込めますが、顔面神経麻痺が重度の場合は後遺症が残ることもあります。